2016-10-04
「 ロシナンテの秋 」
見あげる秋はひしめき群らがるバベルの塔
しのぎあう高さきそいあう幻それら軋むいただきから
色とりどりのジンルイがにぎやかに舞い落ちてくる
静謐の青を背負いながらの自由落下のかしましさ
きみが落ちるために必要だった高さはきみを必要とした高さではないのに
むしろそのことが落下の根拠となっていつまでもきみを幽閉するんだね
ごらんよついに永劫たどりつけぬ眼下では日時計が静かに影を編んでいるのを
問うべき問いを問い指し示そうとすべての時をうちはらいながら
伝承は告げるだろうか 石臼がひきつぶす季節の顆を焼く人里で
おのれの夢に災いされてことばを失う語族の行く末を
ゼロ・サムにむち打たれて耐えるロシナンテの深いまなざしを
あそこに見えるものはいつも派手やかなくつわのようなもの
いかなる高みを切り拓くことなくひたすら高低だけをひきしぼる
それ故に清洌の秋にロシナンテよ放たれてあれまことの嘶きを
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